ひとり親の養育費取り決めを作る

取り決めを作る

取り決めのやり方は5つあります。違うのは「費用」「相手の同意が要るか」、そしてあとで払われなかったときに差押えができるかの3つだけです。

5つの方法の違い

方法 費用 相手の同意 差押えができるか
口約束 0円 要る できない
私的な合意書 0円 要る できる
2026年4月から。子1人につき月8万円まで
公正証書
強制執行認諾文言付き
17,300円
月5万円・5年・謄本8枚の場合
要る できる
金額の上限なし
調停 1,200円/子
+郵便切手
要らない できる
審判 同上 要らない できる

これまでは「公正証書がなければ差押えはできない」が原則でした。2026年4月からは、二人で作った合意書でも差押えを申し立てられます。ただし金額に上限があり、自治体の補助を受けるときは公正証書などが条件になることが多いので、相手が応じるなら公正証書まで作っておくほうが後々ラクです。

根拠:民法306条3号・308条の2、公証人手数料令、裁判所「養育費請求調停」。2026年9月7日確認。

公正証書の作り方

  1. 二人で内容を決める

    金額・支払う期間・毎月の支払日・振込先を決めます。「強制執行認諾文言」を入れることに合意しておくのがいちばん大事です。これがないと、払われなくなったときに裁判をやり直すことになります。

  2. 公証役場に連絡して、内容を伝える

    全国どこの公証役場でも作れます。あらかじめ電話やメールで内容を送っておくと、当日が短く済みます。

    必要なもの:二人ぶんの本人確認書類、戸籍謄本、印鑑。詳しくは役場によって違うので事前に確認してください。

  3. 二人で公証役場へ行き、署名する

    本人が行くのが原則ですが、代理人を立てられる場合もあります。

    費用:月5万円・5年分なら 手数料13,000円+謄本代+送達関係1,900円。

  4. 相手方への「送達」を済ませておく

    差押えをするときに、公正証書が相手に届いていることの証明が必要になります。作成時にまとめて頼んでおくと、あとで慌てません。

    送達 1,600円/送達証明 300円

入れておくとよい条項:収入が大きく変わったときに金額を話し合い直せる、という「事情変更」の取り決め。進学や病気のときの取り扱いも決めておくと、あとで揉めにくくなります。

公正証書の費用を自分の金額で計算する

出典:日本公証人連合会「12 手数料」 https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow12 2026年9月7日確認。用紙が一定枚数を超えた場合の加算など、細目は公証役場にご確認ください。

調停と審判

調停
家庭裁判所で、調停委員を間に入れて話し合います。相手の同意がなくても申し立てられます。まとまると「調停調書」が作られ、これは確定判決と同じ効力を持つので、そのまま差押えができます。
審判
調停がまとまらなかった場合、自動的に審判に移ります。裁判所が金額を決め、「審判書」が作られます。これも差押えの根拠になります。

申立ての費用は子ども1人につき収入印紙1,200円と、連絡用の郵便切手です。申立書の書式は裁判所のページからダウンロードできます。

2026年4月から、養育費の審判で家庭裁判所が相手に収入や資産の情報開示を命じることができるようになりました。正当な理由なく開示しなかったり、嘘の開示をしたりすると10万円以下の過料です。相手が収入を隠して低い金額に抑える、ということがしにくくなっています。

根拠:家事事件手続法152条の2(令和6年法律第33号、2026年4月1日施行)、裁判所「養育費に関する手続」。2026年9月7日確認。

次にやること

このページについて

法令・裁判所・日本公証人連合会の公表資料にもとづく一般的な情報です。個別の事情についての法律判断や書面の作成代理はできません。実際の手続きは公証役場・家庭裁判所・弁護士にご相談ください。

費用は目安です。金額や条件は変わることがあります。