ひとり親の養育費法定養育費とは

法定養育費とは

養育費の取り決めをしないまま離婚した場合でも、子ども1人につき月2万円を請求できる制度です。2026年4月1日に始まりました。施行より前に離婚した場合は対象になりません。そちらの方には別の道があるので、下のほうに書いています。

いくらもらえるか

子どもの人数1か月あたり1年で
1人20,000円240,000円
2人40,000円480,000円
3人60,000円720,000円

これは暫定的な金額です。法務省も「取り決めをするまでの暫定的・補充的なもの」と説明しています。本来の養育費は二人の収入と子どもの人数・年齢から決まるもので、月2万円より高くなることのほうが多いはずです。月2万円で済ませてよい、という意味ではありません。

本来はいくらになるか、算定表で調べる

根拠:民法766条の3、令和7年法務省令第56号(令和7年12月12日公布・令和8年4月1日施行)。法務省パンフレット「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」(令和8年1月改訂)。2026年9月9日確認。

誰が請求できるか

請求できる人
離婚のときに養育費の取り決めをしておらず、離婚のときから引き続き子どもを主に育てているほうの親です。相手方に対して請求します。
対象にならない場合
①2026年3月31日までに離婚した場合。法務省も「発生しません。この規定は、改正法施行後に離婚したケースのみに適用されます」と明言しています。②すでに養育費の取り決めがある場合。取り決めがあるなら、そちらの金額で請求することになります。

根拠:法務省パンフレット Q5。2026年9月9日確認。

いつから、いつまで請求できるか

いつから
離婚の日から発生します。支払う側は毎月末に、その月の分を支払う必要があります。
いつまで
次の3つのうち、いちばん早い日までです。
①父母が養育費の取り決めをした日
②家庭裁判所の養育費の審判が確定した日
子どもが18歳に達した日
大学に行く場合は
法定養育費は18歳までです。それより先まで受け取りたい場合は、取り決めのほうで期間を決めることになります。取り決めであれば「22歳に達した後の3月まで」といった定め方もできます。

根拠:法務省パンフレット Q1・Q2。2026年9月9日確認。

請求のしかた

役所への申請はありません
法定養育費は、条件にあてはまれば法律上あたりまえに発生するものです。どこかに申し込んで認めてもらう制度ではありません。まずは相手方に請求します。
払われないとき
差押えの手続を申し立てられます。法定養育費にもとづく差押えでは、裁判所が必要と認めたときに相手方の言い分を聞くこと(審尋)があります。通常の差押えは相手に知らせずに進みますが、ここは例外です。
金額を変えたいとき
月2万円より高い額にしたい場合も、低い額にしたい場合も、父母の協議か家庭裁判所の手続で取り決めます。二人で決められないときの相談先は、法務省も自治体・養育費・親子交流相談支援センター・母子家庭等就業・自立支援センター・弁護士・ADR機関・家庭裁判所を挙げています。

差押えの手順と費用を見る

無料で相談できる窓口を見る

根拠:法務省パンフレット(暫定的な養育費の新設・Q4)、民事執行法167条の17。2026年9月9日確認。

支払いを拒める場合があります

拒める条件
請求を受けた側が、支払能力がないこと、または支払うと自分の生活が著しく窮迫すること自分で証明したときは、全部または一部の支払いを拒めます。法務省は例として生活保護を受給している場合を挙げています。
証明するのは相手です
「払えない」と言うだけでは足りません。証明する責任は、支払う側にあります。家庭裁判所が支払能力を考慮して免除や猶予を命じることもあります。
相手の収入が乏しいとき
父母の協議で、月2万円より低い額を取り決めることもできます。

根拠:法務省パンフレット Q3。2026年9月9日確認。

法定養育費は使えませんが、別の道があります

法定養育費は施行後に離婚した場合だけの制度です。ただし、同じ改正で「先取特権」という別の変更も入りました。そちらは、以前に離婚した方でも使えます。二人で作った合意書があれば、公正証書がなくても差押えを申し立てられます(施行後に発生する分が対象・子1人につき月8万円まで)。

先取特権のしくみを見る

取り決めがまだない場合の作り方を見る

このページについて

法令と法務省の公表資料にもとづく一般的な情報です。個別の事情についての法律判断はできません。実際の手続きは、相談窓口や弁護士・司法書士にご相談ください。

手続きをしても、受け取れないことはあります。相手に支払う力が残っていない場合などです。